翌年の豊作を左右する!秋の柑橘栽培の管理と樹勢の疲労回復のための施肥・資材選び
更新日:3 時間前

10月中旬から下旬にかけての柑橘園では、温州みかんの極早生や早生の収穫期を迎えつつあり、中晩柑類では果実の成熟・着色へと移行する時期にあたります。
柑橘類において「表年(豊作)」の翌年に「裏年(不作)」となる隔年結果は、この秋の管理が大きく影響します。
当年に果実を多く着けすぎると、樹体内の糖やエネルギーなどの貯蔵養分が果実に奪われ、翌春に向けた花芽の形成や新梢の確保が難しくなります。
安定した連年着果を実現するためには、樹勢を落とさず、翌年のための養分をしっかりと蓄積させることがポイントです。
考えられる原因とまず試したい園地管理
秋口に隔年結果を助長する主な要因は以下の通りです。
着果過多による貯蔵養分の枯渇:果実が過剰に着いていると、葉で生成された同化産物がすべて果実へ優先的に転流され、樹体や根への養分蓄積が滞ります。
収穫の遅れ:果実を樹上に長く残すほど、樹体の体力が奪われ翌春の萌芽や花芽形成に悪影響を及ぼします。
地温低下による根の活性低下:晩秋以降に地温が下がると、土壌からの養分吸収力が急激に衰えます。
これらに対し、日常の栽培管理としてまず以下の作業を徹底します。
適期収穫と計画的な着果負担の軽減
着果量が多い樹ほど、適期を迎えたら遅れずに収穫を進めます。収穫を早めることで樹体の消耗を抑え、翌年のための養分回復期間を確保できます。着果が極端に少ない樹の場合は、あえて一部の果実を残すことで翌春の過剰な着花を抑える調整方法もあります(出典: アグリくまもと)。
秋肥の適期施用
秋芽の伸長が停止した10月中旬が施用の目安です。地温が低下していく時期のため、微生物による分解を待つ有機質肥料よりも、速効性のある化成配合肥料(オール10等)を活用すると肥効が遅れにくく、狙ったタイミングで効かせることができます。着果負担が大きかった樹には、樹勢回復と翌春の花芽分化の準備として不可欠な作業です。施用後に雨が降らない場合は、かん水を行って肥料の吸収を助けます。
予備枝の設定(夏秋梢の整理)
着果量が少なく強い夏秋梢が多く出ている樹では、翌春に適度な新梢を発生させるため、10月下旬頃から不要な枝を基部から間引いたり、適度な摘葉を行って翌年の結果母枝・予備枝を整えます。
資材の活用
基本の肥培管理に加えて、樹勢の消耗が激しい園地や、土壌施肥だけでは養分補給が追いつかない場合に葉面散布や機能性資材を選択肢として検討します。
花芽分化のシグナル補給と着花安定
果実の肥大・成熟にエネルギーを取られ、翌年の花芽誘導が中断(葉芽へ逆戻り)するのを防ぐ目的で、バイオスティミュラント資材(テカミンフラワー等)を活用する方法があります。樹体に糖やエネルギーが充足しているシグナルを促し、花芽の分化を支えます。また、秋季(10月下旬以降)から月2回ペースで行う「ツートップ+(1,000倍)」の葉面散布も、養分補給と花芽の充実に適しています。
光合成促進と樹勢回復(葉面散布)
収穫前後の樹勢低下に対し、アミノ酸液肥(テカミンマックス 1,000〜2,000倍)を散布することで、植物の基礎代謝を助け、樹体内の炭水化物蓄積を後押しします。
根圏環境の維持
細根の活性を保ち、水分・養分の吸収力を維持するために、フルボ酸等を含む土壌潅水資材(アグリフル等)や、土壌団粒化剤(EB-aエコシリーズ)の活用が有効です。
注意点
施肥時期の遅れに注意
秋肥の施用時期が11月中旬以降などにずれ込むと、地温低下によって細根からの吸収が大幅に低下します(出典: アグリくまもと)。収穫作業で多忙な時期ですが、適期(10月上中旬〜遅くとも11月上旬)の施用を守ることが重要です。
資材混用の制限
着色促進等で石灰硫黄合剤を使用する場合は、強アルカリ性のため他剤との混用を避け、単用で使用する必要があります。
農薬・調整剤の使用ルール
ジベレリン等の植物成長調整剤や各種農薬を使用する場合は、使用時期、濃度、回数などの基準が細かく定められています。必ず農薬登録情報提供システムで最新の登録内容を確認し、製品ラベルと照合してから使用してください。
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